FEM解析の事例紹介「逆止弁によるシール」
逆止弁の栓にゴム球を使用する時の硬度選択
- Q:
-
下図のような逆止弁で、圧力が右側から1Mpaかかります。
硬度を50, 60, 70から選ぶ場合、どれが一番良いのでしょうか?
- A:
- 解析により、各硬度での応力分布は次のようになりました。
硬度50の場合

硬度60の場合

硬度70の場合

※ゴム硬度はデュロメータータイプAを表します。
図は応力分布図で、青色の部分は応力値が低く、紫→赤→橙→黄となるに連れて応力値は高くなります。
変形の様子を見てみますと、ゴム硬度50ではゴム球のはみ出し変形が大きいようです。
次に応力値を見てみますと、70より60の方が、内部応力値は小さいようです。
ここで60と70ともに、はみ出し変形量はほぼ同じですが、シール部分の接触面積は70の方が微妙に少ない状態となっており、狭い範囲に応力が集中する結果になりました。
よって今回の場合は、ゴム硬度60が最適と思われます。